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秘密のアルバイト

第38章 引退

帰りはいつものようにショッピング・・・

の予定が、ちょっと機嫌の悪い潤はまた、俺の知らない道を通っていく。
外はまだ明るい。
この前みたいに、人気のないところに車を止めてって事はないよね。

俺は黙ってどこへ行くか、外をじっと見ていると、やっぱ人気のないところに・・・

さすがにこんなに明るいときはマズイよ。
声もかけられず、そのまま黙っていると、今まで来たことがないところへ到着。


「かず、降りるよ!」

「えっ・・・あぁ・・・うん」


ラブホだった。
言われるがまま車を降り、潤のあとをついていった。
高校のとき付き合っていた彼女とは、Hはしたことはあっても、彼女の家だったり俺の家だったりで、ラブホは来たことがなかった。
潤とも来たことがないし、撮影でもラブホではなく普通にホテル。

部屋に向かう潤は歩き方が早く、俺は小走りでついていった。
エレベーターに乗り込んでも、手をつなぐことも抱きついてくることもなかった。

最上階、エレベーターを降りて部屋に向かい廊下を歩いていると、途中の部屋からカップルが出てきてバッタリ。
相手は男女のカップル。
当たり前だけど、男同志で来ている俺達を振り返り、目を丸くして見ていた。

部屋に入ると、俺は思わずキョロキョロと部屋を見回した。
潤はカバンを椅子に放り投げ、部屋の冷蔵庫から缶ビールを出し、一気に飲み干した。


「ねぇ潤・・・潤?」


何も言わずにジリジリと近づいてくる潤が何だか怖かった。
 

「潤・・・どうしたの?
ねぇ・・・ねぇ潤・・・うわぁ!」


後退りする俺を、思いきりベッドに押し倒すと、服を脱ぎ怖い顔で俺に覆い被さってきた。

怖い顔を見るのは、この前の旅行の帰り以来。







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