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秘密のアルバイト

第43章 引退DVD・・・3

到着したホテルは、いつものホテルではない。


「あれっ・・・いつもとホテルと・・・」

「最後だからね・・・違うところにしてみたよ。
って言うか、ここも使ったことあるけど、二宮君は始めてかもね」


こんな普段着で来ていいのかと思ってしまうくらい、高級感のあるホテル。
フロントで手続きをしている社長を待っている俺は、何だかそわそわ。


「お待たせ・・・どうした?」

「いつものホテルよりなんと言うか、綺麗と言うか、高級感があると言うか、何か俺、場違いじゃないかなぁって・・・」

「全然大丈夫だよ。さぁ行こう」


社長について部屋に向かった。
こういうところに来るのも、今日が最後。
普段の生活で、こういうところに来ることはまずないからなぁ。
勝手だけど、ちょっと残念。
そんなことを考えていたら、エレベーターは最上階へ。


「着いたよ、入って」

「うわ~・・・凄~い」


最上階だけあって、大きな窓。
見晴らしがいいなんて言葉じゃ足りないぼどの、見晴らしのよさ。
俺は小さな子供のように、窓ガラスに張り付いて下をのぞきこんでいた。


「下に走ってる車が、何かミニカーに見える」

「二宮君、ミニカーって・・・
ちょっと可愛いすぎないかい」

「でも社長、あんなに車が小さく・・・えっ?
あの・・・社長、相手の人、来ちゃいます」

「ごめん・・・少しこのままで・・・」


大きな窓ガラスの前で、後ろから社長に抱き締められる俺。
大きな社長の腕の中で、しばらくすっぽりとおさまっていた俺。


「じゃあ、しばらくこのまま待っててね」

「はい」


俺からゆっくりと離れた社長は、そう言って部屋を出ていった。


「はぁ・・・
しかしいつもの撮影なら、もう先にカメラマンとか来ているのにな」


俺はソファに座り、窓からの景色を眺めていた。

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