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感情に、芽が咲き花が育つ

第1章 出逢い方

チャラ男三人は目を合わせるとなにも喋ることなくその場から走り去った。やっぱり、慣れてる。


「なんで、もっと早く連絡しなかったの?」

「あいつらの前で携帯出したら壊されてたじゃん。隙ができるの待ってた。」

「ハッタリじゃなくて本当に連絡した?」

「うん、今から来るよ。」

「あの三人いなくなったのに?」

「またこんなことされたら困るっしょ。音なしで三人の顔写真撮っておいた。」

「・・・手際いいね。」

「これでカツアゲされたの人生で二回目だから。」

「へぇ。」



あの三人がいなくなって2分後に警察がやって来た。なにがあったかをその場で詳しく聞かれ、男子生徒と一緒に写真を見せながら警察に説明をした。

周りの視線が痛くて正直辛い。


「今ちょうど9時過ぎたけど、送って行こうか?」

「あ、いえ。大丈夫です。それでは。」

「ちょ、待って。」

警察からの申し出をやんわりと断り帰ろうとすると、男子生徒がわたしを呼び止める。これは自惚れではないが名前とか色々と聞かれるパターンだな。

「男子生徒さん、またね。」

「え、」


何か言いたげな男子生徒をその場に残し、わたしは走って家に向かう。走っている間はどうしても何か考えてしまう。

例えば、正直に言ったら今日のわたしは凄かった。だってあんなチンピラを目の前にして逃走を図らなかったから。
でも、あの男子生徒はもっと凄かった。
自分は絡まれていると言うのに、チャンスをうかがいながら冷静に対応ができていたから。とか。



今、心臓がバクバクしているのは走っているという理由だけではなさそうだ。
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