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遠くて近い

第6章 繰り返される

「この紙もあるし警察にいったら?」

「・・・証拠になるの?相手してくれなさそう」

ちらりとチホを見るとじとーっと見つめ返される。

「はい・・・行きます」

「よぉーし!かなでえらいぞぉ」

頭をわしわししながらそう言うチホ
そんな彼女を見て申し訳なく思う。

私は警察に行くつもりはない。


そもそも今まで痴漢にあっていることを家族に言っていない。


それに警察に言ったり駅員に言って彼が捕まったら受け入れていたことを相手は言うかもしれない。

そんなこと耐えられない。

電車の乗る時間を変えればいいんだ。

単純にそう思った。

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