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遠くて近い

第7章 恐怖


「なん・・・なのよ・・・」

そう言葉を漏らしつつも少し安堵した。

だが手の甲のぬめりが気分を悪くする。

ここまで長引かせてしまったのは自業自得。

自分にも相手にも腹立たしい。

唇を噛み締めながらテッシュペーパーで手をぬぐった。

不意に誰かに見られている気がして振り返ったが誰も見てはいない。

「気のせいか・・・」

だが最寄りの駅で降り学校に向かう間にもその視線を感じ続けた。

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