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建君は遠く海沿いの道を眺めて待っていた。

「ごめんね。お待たせ」

「どうする。少し海沿い歩いても大丈夫？」

私がうなずくとゆっくり2人並んで歩きだす。

誰にも会いません様に…そんな事考えて

また自己嫌悪で落ち込んだ。

海沿いの道は昔海の水族館があった辺りに

続き、あまり帰宅の生徒はいなかった。

私この道なんか好きだなぁ〜

基本海は大好きだった。

中学に入ってから塾帰りにも好んで

浜辺を歩いて帰った。

歩いて帰ったと言うより、夕焼けを見て

何時間が立って焦って走って帰った。

ゆっくりと沈む夕陽が好きだった。

あの頃翔先輩がいつも歌っていた唄を

バックミュージックで見つめてた。

今日は夕陽まではまだ早い。

その時私は決めた。

もし、建君が夕陽を一緒に見たいと言ったら

きちんとこの人を好きになろう。

波音が優しく響く。

建君は照れ臭そうに歩くも、余り海には

興味が無さそうに感じる。

そう感じたのが大当たりだった。

「愛璃ちゃん寒くなって来たから急ごうか？」

私は…………決めた。

建君とは合わない。

駅に着くと建君は電車が来るまで居てくれると

行ったが、私は断った。

「建君のバス来たら困るから行って」

「愛璃ちゃん…いや…じゃあまた」

建君は笑顔でバス停へ向かった。