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貴方の瞳は永遠の愛で。

第5章  お付き合いって……

数日後、部活で翔太君が楽しそうにプレーを

している姿をぼんやり見ていた。

「一緒にやろうぜ」

翔太君がすかさず私にボールを回す。

身体が勝手に反応。

いつの間にか、男女混合チーム戦が開始された。

翔太君との掛け合いが楽しくて、

終わってみると、爽やかな気持ちだった。

休憩で水飲み場に行くと翔太君が来た。

「愛璃…お前悩んでるだろう?」

見透かされている…翔太君が気が付いている。

びっくりして翔太君の顔を見た。

黙って頷くと、

「俺も余計な事言ったからなぁ〜

やっぱりきつかったか?話し出来ないんだろう?

愛璃…建には俺言って置くよ。

友達でこれから仲良くしようって

あいつも愛璃笑わなくなって心配してる。」

私はホッとして涙が出てきた。

大きく頷きながら焦って顔を洗う。

「ごめんね。ごめん…」

翔太君は優しく頭を撫ぜてくれた。

そして急に大きな声で言った。

「建〜〜今日から友達だ。」

何処からとも無く「OK!」の返事。

遠くで建君が手を振っていた。

私は翔太君に何度も謝った。

本当は建君に謝らなければならないのに、

翔太君に何度も謝った。

「大丈夫。伝えるよ。

愛璃。もうひと勝負始めるか?

みんな待っている。行くぞー」

こうして私の初めてのお付き合いは、

本当に何もないまま終わった。

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