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愛璃は涙を堪えて話す。

「翔太君…私ね、子供ができない身体なの。

この間の検査でわかったの。

私には、翔太君に夢見た家庭を作って

あげられないの。

私はもともと家族あまりいなかったけど、

翔太君はいつも沢山の家族に囲まれて

育って来た。たぶん……

理想の家族は子供がいるのが当たり前。

私では駄目なの……」

翔太はグッと愛璃を抱きしめた。

そして何度も何度もキスをした。

「愛璃が居ればいい…愛璃だけでいい…

愛璃だけでいい…」

翔太は繰り返す。

愛璃はもう涙を堪える事が出来なかった。

「ずっと一人でかかえていたの？

どうして俺に言ってくれなかったの？

もっと俺を信じてほしい…」

「信じるとか信じないとかじゃあ無くて、

私自身の問題で、翔太君を巻き込みたく

ないの…一番大切な人だから」

「じゃあ…俺の気持ちはどうでもいいの？

こんなに愛璃を愛しているのに…

子供のいない人生はこれから考える。

でも、愛璃のいない人生は考えられない」