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何も返事をしない愛璃を自分の方に向かせ

翔太は抱きしめなおした。

愛璃の腕が翔太の背中にまわる。

「翔太君…大好きよ。愛してる…」

『愛璃〜」

翔太はやっと安心した。

長いキスの後愛璃の耳元で囁く

「愛してる…誰よりも」

愛璃は泣いていた。

心配そうに翔太がみつめると

「しあわせで…しあわせすぎて…

翔太君ありがとう。」

「しあわせなのは俺の方…」

その言葉を遮り愛璃は翔太にキスをした。

その後二人は旅の終わりのドライブを

楽しんだ。

車の中でも、降りて歩く時も

愛璃は翔太の手を離さなかった。

「もう少しで到着だ。」

「うん……旅の終わりだね」

車が愛璃の寮に着くと

「本当にいい海みれて、翔太君と一緒に

美味しい物沢山食べて…楽しかった。

ありがとう。 運転ご苦労様でした」

笑顔でそう言うと、愛璃は手紙を

今まで座っていたシートにそっと置いた。

まわりを見てから、翔太の頬にキスをし

車のドアを閉めた。

「また連絡するよ。」

翔太が車を走らせると、車が見えなくなるまで

愛璃は見送った。

見えなくなって、急に何かが弾けたように

悲しみが込み上げて、その場に泣き崩れた。