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濃密 恋絵巻

第2章 ~歪んだ想い~

 
 
 
「…うまい」
 
 
 
微かな笑みを浮かべながら、月蔭は黙々とお粥を口にした。
 
 
 
 ずっと具合悪そうなま まだったから心配して たけど…
 食欲はあるみたいで良 かった…
 
「…あの…具合はどう? 」
 
「回復するのに時間はか かってるが大丈夫だ」 
「本当?
 もしわたしに気をつか ってるなら――」
 
 
 
そう言いかけた時、月蔭の綺麗な顔が近付いてくるなり唇を塞がれた。
 
触れるだけのキスをした後、月蔭は華奢な身体を包み込むように抱き締めた。
 
 
 
「あ…月蔭…?」
 
「…ゆりなを抱き締めて いると落ち着く…」
 
 
 
 月蔭の体…ちょっと熱 い…?
 まだ熱下がってないん だ……
 
「月蔭…まだ熱が…」
 
 
 
額に手をかざそうと身体を離そうとしたが、腕に力が込められ阻止されてしまった。
 
 
 
「まだ離したくない…」 
「でも熱が…」
 
「心配いらない…
 …もう少しだけ…ゆり なに触れていたい…」 
「えっ……う、うん…」 
 その囁きは反則っ
 離してなんて言えなく なっちゃうっ…
 
 
 
2人はしばらく抱き締め合い、お互いの体温と鼓動を静かに感じた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ……明日は…朔の日か ――……
 
 
 
 
 
 
 
 

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