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「先生、食べちゃっても良い?」

第11章 教室




そんな不安を他所に、ツカツカと速足で此方へ近付いてくる足音。


視線を山田さんの顔から動かせずにいる私は、そのままその人物が私達の目の前で立ち止まると息を飲みながら視線を移した。



と同時瞳に映ったのは、冷酷な顔をし私を見据える日向先生の姿だった。




……何故日向先生がここに? それに、何故そんなに怒っているんだろう。







「……山田。手錠の鍵渡せ」







日向先生は驚く私達二人の事などお構いなしに、山田さんの方は見ず掌だけを彼女に向かって出した。


そんな日向先生を見ると、山田さんは一瞬にして顔を強張らせる。






「日向先生……どうしてここに」



「良いから出せ。早く」



「はい……」






日向先生の言う通り、素直に鍵を渡す山田さん。



すると日向先生はその鍵を受け取るや否や、私の腕を強く引っ張りドアへ向かって歩き出した。







「行くぞ」


「えっ、日向先生……?」







もしかして助けに来てくれたんだろうか。


気になるが、今はそんな事より……お礼を言わないと。



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