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銀魂

第19章 刀じゃ斬れない物がある

沖)「ここでは表の連中が決して目にする事ができねェ、面白ェ見せ物が行われてんでさァ」


薄暗い通路を抜けある一つの建物の中に入る。


入った先は私達が先ほどいたような格闘技などが行われていそうな場所だった。


銀)「こいつァ…地下闘技場?」


沖)「煉獄関…ここでおこなわれているのは正真正銘の殺し合いでさァ」


悠)「こんな所が…」


あたしは信じられない光景に顔をしかめる。


銀)「賭け試合か」


沖)「こんな時代だ。侍は稼ぎ口を探すのは容易じゃねェ。命知らずの浪人どもが金欲しさに斬り合いを演じてるわけてさァ。真剣での斬り合いなんざそう拝めるもんじゃねェ。そこに賭けてまで絡むとき、そりゃみんな飛びつきますぜ」


銀)「趣味のいい見せ物だな。オイ」


神)「胸くそ悪いモン見せやがって‼︎寝れなくなったらどーするつもりだコノヤロー‼︎」


神楽ちゃんは沖田さんが話した内容を聞いて嫌になったのだろう。


沖田さんの襟首を掴んで怒鳴る。


新)「明らかに違法じゃないですか。沖田さん、あんたそれでも役人ですか?」


確かに。
こんな違法な事が行われているなら警察である沖田さんはここに居て見逃してはならないはず・・・


これ、世間に知れたら真選組の信頼性が失われちゃう。


ただでさえ裏で『チンピラ警察』なんて呼ばれているからなおさらだ。


沖)「俺だってこんな胸糞悪ィもん早くとっ捕まえたいでさァ。でも、ここで動く金は莫大だ。残念ながら人間の欲ってのは権力の大きさに比例するもんでねェ」


銀)「・・・幕府(おかみ)も絡んでるっていうのかよ」


沖)「ヘタには動けば真選組(ウチ)も潰されかねないんでね。これだから組織ってのは面倒いけねェ。自由なあんたらがうらやましいーや」


銀)「・・・・・・言っておくがな俺ァテメーらのために働くなんざごめんだぜ」



沖)「おかしーな。アンタは俺と同種だと思ってやしたぜ。こういうもんは虫唾が走るほど嫌いなタチだと・・・」


沖田さんはスッとリングの上に立って仮面の男の人を指さした。

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