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銀魂

第20章 美味い物ほど当たると恐い

銀)「ファザコンだよ、ファザコン。シワだらけの玉袋見てたら死んだ親父の顔、思い出したんだよ」


悠)「ちょ、銀さん‼︎貴方なに変な事言ってるんですか‼︎」


長)「なんで玉袋⁉︎顔でいいじゃん‼︎お前、玉袋って言いたかっただけだろ‼︎」


悠)「そうですよ‼︎大体自分のお父さんの顔思い出して顔赤くしますか…って、銀さんあれ‼︎」


あたしは内野さんが覗いている病室によく見る顔を見つけ指差す。


銀)「ん?あれ…‼︎ヅ、ヅラァァァ⁉︎」


よく見る顔。
つまりは桂さんが病室の椅子に座っていたのだ。


因みに入院してるのは桂さんのペットでエリザベスだった。


悠)「な、なんで桂さんとエリザベスさんがここに…」


もしかして内野さんの想い人って桂さん⁉︎


あたしは驚いて眼を見開く。


内)「…はっ‼︎」


全)『…げっ‼︎』


そんなあたし達に内野さんは視線を感じたのか気まずそうにこちらを向いた。


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内)「もぉーズルイよ。後ろからこっそり見てるなんて」


あたし達はあれから病院の屋上に来ていた。


内野さんはあたし達がこっそり見ていたのにも全く怒らずぷくっと頬を膨らませるだけだけであった。


内)「まァバレちゃ仕方ないか。前にね、廊下ですれ違った時、まっすぐでスゴく綺麗な眼をしているあの人に一目惚れしたの。でもね…この想いは綺麗に胸の奥にしまっておくの」


内野さんは切ない顔をして夕日を見つめる。


内野さんは知ってるんだ。
桂さんが内野さんとは全く別の世界の人間だってこと。
だからきっと桂さんに想いを伝えないんだ。


あたしは内野さんを見て切なくなる。


長)「それでいいのか?」


内)「えぇ、3人に話してスッキリしたし。アリガト」


内野さんはあたし達にお礼を言うと屋上を出て行った。

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