テキストサイズ

銀魂

第25章 ミルクは人肌の温度で

銀)「ワリーな。じーさん。このガキはジジイの汚ねー乳吸うぐらいなら、母さんの貧相な乳しゃぶってた方がマシだとよ」


橋)「ふっ。そうか。だが、逃げ切れると思っているのか?こちらにはまだ、とっておきの手駒が残っておるのだぞ」


悠)「とっておきの手駒?」


とっておきってどういう事?
そんなに強い浪士を雇っているというの?


あたしがそう考えていると反対側のドアがガキィィィン!!と何者かに斬られた。


何事だとそちらの方を見ると、そこには浪士達に絡まれた時にあたし達を逃がしたあの浪士がいた。


橋)「盲目でありながらも居合を駆使し、どんな獲物も一撃必殺で仕留める殺しの達人・・・その名も岡田仁蔵。人斬り仁蔵と恐れられる男だ」


盲目って事は目が見えて無いって事?


それなのにどうやって闘っているの?


あたしは仁蔵と呼ばれた男をマジマジと見る。


仁)「やァ。またきっと会えると思っていたよ」


銀)「てめェ、あん時の・・・目が見えて無かったのか?」


仁)「今度は両手が空いているようだねェ。嬉しいねェ。これで心起きなく殺りあえるというもんだよ」


橋)「仁蔵ォ!!勘七郎の所在さえ分かればこっちのものだ!!全部叩き斬ってしまえ!!」


新)「銀さん!!悠さん!!気をつけてください!!そいつ居合の達人です!!絶対に間合いには行っちゃ駄目ですよ!!」


新八君があたし達にそう叫んだ瞬間、銀さんの横を、仁蔵が目にも見えないスピードで通った。


すると銀さんの肩からブシャァァと血が出てくる。


きっと仁蔵が銀さんの横を通った隙に刀で切りつけたのだろう。


銀)「ムグッ!!」


悠)「銀さん!!」


あたしはすぐさま銀さんに駆け寄った。


肩からは思いのほか、血がドバドバと出ている。


房)「勘七郎!!」


今度は赤ちゃんのお母さんの叫び声が聞こえた。



そちらの方を向いて見るとさっきまでお母さんの腕にしっかり抱かれていたハズの赤ちゃんが、仁蔵の刀の柄の部分にぶら下がっていたのだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ