銀魂
第27章 備えあれば憂いなし(紅桜編)
~free side~
ある満月の夜。
黒い長髪の男・・・桂小太郎は橋の上で川を眺めていた。
その時・・・
?)「ちょっと失礼。桂小五郎殿とお見受けする」
1人の男が桂に尋ねてきた。
しかし、桂は男に振り返らず静かに口を開く。
桂)「・・・人違いだ」
?)「心配はいらんよ。俺は幕府の犬でもなんでもない」
桂)「犬は犬でも血に飢えた狂犬と言ったところか。近頃巷で辻斬りが横行しているとは聞いて居ていたが、噛みつく相手は選んだほうがいい」
?)「あいにく俺の相棒もアンタのような強者の血を欲しててね。一つやり合ってくれんかね?」
男はそう言いながら腰に挿してある刀に手をかける。
桂)「!!・・・貴様、その刀」
桂が何かを言おうとした瞬間、桂の横を男が通り過ぎた。
そして・・・
ブシュゥゥゥゥゥ!!
桂の背中から大量の血が出てきたのだ。
?)「アララ。こんなものかい」
男はそれだけを言うと、その場を後にした。
~free side end~
悠)「ど、どうぞ。お茶です」
カチャっと温かいお茶が入った湯呑みを万事屋に来た依頼主・・・エリザベスさんの前に置き、サササと銀さんの後ろに隠れる。
新)「あ、あの。今日はどういったご用件で・・・?」
新八君がエリザベスさんに聞くも、エリザベスさんはいつもの顔で喋らない所か、いつものフリップボードさえも出さない。
銀)「・・・なんなんだよ。なにしに来たんだよこの人。こえーよ。黙ったままなんだけど。怒ってんの?なんか怒ってんの?俺なんか悪い事した?」
新)「怒ってんのあれ。笑ってんじゃなくて?」
銀)「笑ってたら笑ってたらで怖いよ。なんで人ん家来て黙ってほくそ笑んでんだよ。なんか企んでいる事山の如しじゃねーか」
あたし達はエリザベスさんの前でコソコソと喋る。