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銀魂

第27章 備えあれば憂いなし(紅桜編)

鉄子)「分かってたんだ。人斬り包丁だって。あんなのはただの人殺しの道具だって。わかってるんだ。・・・なのに悔しくて仕方がない」


鉄子は声を震えさせ泣きながら言う。


鉄子)「兄者が必死になって作った刀が・・・あんな事に使われるのは。悔しくて仕方ない。・・・でも、事は私一人じゃ止められないぐらいに大きくなってしまった。どうしればいいかわからないんだ。わたしはどうすれば・・・」


鉄子はギュッと膝の上置いている手を握る。


銀)「どうしていいのかわからんのは俺の方だよ。こっちは怪我するわ連れがやられるわで頭んなかぐちゃぐちゃだよ。おまけに俺の可愛い彼女にまで心配かける始末だよ。オラ、こんな慰謝料いらねーからとっとと帰れ。もうメンドクセーのはゴメンだからよ」


俺はそう言って慰謝料を机に投げつけ、布団が敷いてある部屋に戻りねっ転がった。


慰謝料の入った袋にある物を入れて…


しばらくすると鉄子が帰ったのか、お妙が俺の方に来て布団の横に座った。


妙)「安心しました」


銀)「あ?」


妙)「行くんじゃないかと思ったから。そんな身体でも」

お妙は安心しきった顔で言う。


妙)「そんな身体で行っても死んじゃいますもんね」


銀)「そうだな」


妙)「あの女の子には申し訳ないけど、仕方ないですよね」


銀)「そうだな」


妙)「……銀さん」


銀)「あ?」


妙)「…あんまり無茶するのはもうやめてくださいね。銀さんがいなくなったら新ちゃんも神楽ちゃんも困りますから。それに、悠ちゃんもとても悲しみます…」


銀)「そうだな」


妙)「昔は銀さんも色々ヤンチャやってたようだけど、もう、そんな事する歳じゃないですもんね」


お妙の言うしつこい話に痺れを切らした俺は起き上がりお妙に怒鳴る。


銀)「しつけーんだよ、コノヤロー‼︎もう、どこにも行かねーからジャンプ買ってこい‼︎お前さ、さっき買ってきたの赤マルだぞ‼︎お母さんみてーな間違いしてんじゃねーよ‼︎」


妙)「ハイハイ。わかりましたよ」


お妙は立ち上がり万事屋を出て行く。


ピシャリと万事屋の扉が閉まる音がすると俺は立ち上がった。

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