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銀魂

第27章 備えあれば憂いなし(紅桜編)

鉄矢)「だが、最後の最後でお前だけは……捨てられなんだか。こんな生半可な覚悟で究極の剣など打てるわけもなかった…」


銀)「…余計なモンなんかじゃねーよ」


銀さんがそう言いながらヨロヨロと立ち上がった。

悠)「銀さんっ」


銀)「余計なモンなんてあるかよ。全てを捧げて剣を作るためだけに生きる?それが職人?大層なこと抜かしてんじゃないよ。ただメンドクセーだけじゃねーか。てめーは。いろんなモン背負って頭抱えて生きる度胸もねー奴が職人なんだカッコつけんじゃねェ。見とけ。てめーのいう余計なモンがどれだけの力を持ってるか」


銀さんは仁蔵に刀を向ける。


銀)「てめーの妹が魂込めて打ち込んだコイツの切れ味、しかとその目ん玉に焼きつけな」


仁)「うぉぉぉぉ‼︎」


仁蔵が真正面から走ってくる。


鉄子)「銀さん‼︎無理だ‼︎正面からやり合って紅桜に…」


神)「銀ちゃーん‼︎」


仁蔵が紅桜を振り下ろすと、それに合わせて銀さんも刀を振りおろす。


その時、鉄矢さんの頭の中には昔の記憶が流れていた。


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(回想)


縁側に幼き鉄矢と鉄子、そして2人の父親が座っている。


父)「刀なんぞしょせん人斬り包丁。どんだけ魂込めて打とうがコイツは変わらねェ。だが、だからと言って俺達ゃ鎚を止めるわけにはいかねぇよ。おまんま食いっぱぐれちまう。いやいや、それだけじゃねェ。俺達の作るモンは武器だ。だからこそ打って打って打ちまくらなきゃならねェ。鉄じゃねーよ。てめーの魂をだ。鉄を叩きながら、てめーの魂を叩きあげろ。優しく清廉な人になれ。美しく生きろ。お前らがちったァマシになりゃそれに応えて剣(コイツ)を少しはマシに使ってくれる奴が集まってくるだろうよ。なァ、オイ。おめーはどんな剣が打ちたい?」


父親は鉄子の頭に手を乗せ問う。


鉄子)「…護る剣」


父)「あ?声が小せーよ」


鉄子)「人を護る剣」


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ピシピシと紅桜に亀裂がはいる。


そして…








バリィン


紅桜は粉々になり、仁蔵は倒れた。

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