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銀魂

第31章 どこの母ちゃんも大体同じ


狂死郎は指定されたビルにつくと辺りを見渡す。
すると、背後から声がした。


堂)「こっちや、こっち。狂死郎は…ちゃうは八郎さん」


声の主は堂本で崩れかけたビルの3階から見下すように狂死郎の事を見ていた。


堂)「ビックリしたでェ。ホンマは黒板八郎いうねんな。オジキから聞いたで。なんや田舎くさい名前しとったんやなァ。ホンマは…親近感わいたで」


狂)「…あの人は⁉︎」


堂)「心配いらんで。大事な人質や、なんもしとらん。約束通りあんたが息子いうのもふせとる。ヤクザは筋は通すで。ほいでも、なんでそないに必死になって隠すかわからんわ。わしなんかこないにグレてしもうたさかい。絶対オカンとなんて会われへんけどな。しばき殺されるさかい。あんたはこの街のNo.1ホストやん。出世頭やん。胸張ってオカンと会うたらエエなん」


堂本の言葉に狂死郎は少し俯く。


狂)「・・・・・・どのツラ下げて会えというんですか。もう、母の知っている顔は文字道理捨てました。この町でのし上がるのと引き換えに。私は八郎であることを捨ててしまった・・・」


堂)「いやいや。立派なもんやったで。わしらの要求拒んでこない粘った奴らは初めてや。まぁそれも今日で最後やけどな」


カチャ・・・


堂本が喋り終わると狂死郎は膝を立てながら座り、持っていたスーツケースを地面に置いて中身を見せた。
スーツケースの中には札束と金が入っていた。


堂)「なんやその金」


狂)「私の私財です。店を大きくするのに使ってしまってあまり多くは残ってはいませんが」


堂本はここまでやっても自分達の要求をのまない狂死郎に腹だ立ち、怒鳴りだした。


堂)「なんやぁぁ!!まだ、もがくいうんかいな!!わしらそんなはした金
欲しいやないでェェェ!!お前の店で薬さばけいうとんねん!!もっとでかい金動かしたいねん!!」


狂)「私はホストという仕事に誇りを持っています。だからあなた達の要求はのめないし、母に名乗り出るつもりまありません。それにホストは女性を喜ばせるのが仕事です。だから・・・」


狂死郎はそこまで言うと立ち上がりしっかりとしたまなざしで堂本を見た。

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