無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

庭へと突っ込んだ土方は3回華麗にバク転をして着地をした。


北）「ほう、想像以上の反応だ 。並外れた身体能力、反射神経。数多の死線をくぐり抜け培った勘と度胸。実戦剣術とはよく言ったもの。並大抵の剣客では及ぶまい。たが、そんな戦い方が通じるのは三流まで。達人同士の勝負においては通用せん」


土）「てめーが達人だって？虫も殺した事ねェようなツラしやがって。ボンボンが」


土方はそういうと木刀をかまえる。


北）「殺し合いだけが剣術ではないぞ。かかってこい」


北大路は胸に隠していた皿を土方に見せつけるように着物を少しはだけさせる。
それを見た土方はニヤリと笑った。


土）「ぬかしやがれ‼︎」


土方は縁側に立っている北大路めがけて走り、木刀を振る。
北大路は土方の攻撃をよけ高く飛んだ。


北）「貴様の手は読めているぞ。あえて大技で隙を作り敵を誘い打ち込んできたところを持ち前の勘でとらえてさばく」


土）「てめーの動きも読めてんだよ‼︎」


土方は飛んだ北大路がそのまま土方の背中めがけて攻撃をしてくると思い後ろを向く。
しかし、後ろには北大路はいなく彼は先ほどの縁側に着地をしていた。


つまりは土方の考えの裏をとってあえて縁側に着地をしたのだ。


北）「勘がよすぎるんだよ。貴様は」


北大路は「フッ」と息を吐きながら土方の背中を木刀で殴る。


殴られた土方は皿が割れぬよう体をひねり池の方へ飛ばされた。


近）「まずい。あの男、トシのクセをあの短時間で見抜いた」


新）「えぇ⁉︎」


近）「俺達、真選組の得意とする真剣での立ち合いにおいて相手の一太刀を受ける事は即ち死をあらわす。ゆえに、俺達に絶対的に求められるのは危機察知能力。研ぎ澄まされた直感力で相手の気配を察知し敵の攻めを制す。昔から最前線で戦ってきたトシは誰よりもその能力に長ける。だが・・・奴が得意とする道場剣法は敵を斬るよりも敵の意表を突き一本取るもの。奴の前ではトシの尋常ならぬ勘は仇となる。あのでけー皿だ。いつも以上に敏感に反応せざるおえない。奴はそれを利用し、トシの隙をついている。攻めると見せかけて引き、引くと見せかけて攻める。無数の擬餌を無意識で反応してしまうギリギリのレベルで繰り出している」


近藤がそう話している間にも土方は北大路にやられ最終的には池に落ちた。