テキストサイズ

銀魂

第36章 女の一番の化粧は笑顔(柳生篇)〜2〜

土)「くっ!!」


土方はよろけ数歩後ろに下がる。


北)「それは貴様の便りとする勘や直感よりも確かな物。やり合えばそこには一瞬の判断の差が生まれる」


土)「うォォォ!!」


ヒュンッ!!


土方は北大路の話など耳に入っていないかのように攻撃を仕掛けるが、北大路は攻撃をよけ土方の顔に木刀を突きつける。


土方は瞬時によけるが木刀は頬をかすめた。


北)「達人同士の立ち合いにおいてのそ差は致命的な物。それが貴様と俺の差。才能に溺れ努力を怠った貴様の敗因。これがお前が道場剣術と揶揄した者の力よ!!」


ドオウ!!


土)「グハァ!!」


北大路はまたもや土方の顔に木刀を打ち込んだ。


新)「ヤバい!!あの人ホントに強い!!近藤さん、助けに行きましょう!!」


新八は土方が本当にやられると思い戦いに加わろうとする。
しかし、それを近藤が止めた。


新)「近藤さん!!」


近)「スマン。手は出さないでくれ。お妙さんの身がかかっている戦いで言えた義理じゃないが、アレは人一倍負けず嫌いだ。手ェなんか出したら殺されれる」


新)「負けず嫌いって・・・このままじゃ負けますよ!!」


近)「そうかもしれん。しかし、トシに加勢するという事は俺があいつを信じないという事だ」


新八は近藤の言葉を聞き、ハッとする。


近)「ただの喧嘩剣法じゃアレには勝てねーのはアイツが一番わかってんよ。なァ、トシよ」


近藤は土方を見ながら少し懐かしそうな顔をする。
そして、そのまま語りだした。


近)「・・・昔なァ、まだ俺達が江戸に出てくる前、田舎で俺が剣術道場やってる頃の話だ。巷を騒がすとんでもねェ悪ガキがいてな。滅法喧嘩の強ェ一匹狼で近隣の道場に片っ端から喧嘩売ってシバキ回ってる暴れん坊よ。田舎道場の奴らなんざ血の気の多いチンピラみてーな奴らばかりだ。これじゃぁメンツがたたねーってんでみんなで協力してそいつをやっちまおうって話になったんだ。一対一の武士道なんて誰も持ち合わせちゃいねェ。まァ、自業自得だがな、俺も物見遊山で見に行ったんだ。そしたらコイツがなかなか太ェ野郎でな・・・」


の近藤は昔の土方を思い出したのだろう。
ふっと鼻で笑う。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ