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銀魂

第36章 女の一番の化粧は笑顔(柳生篇)〜2〜

近藤は土方が喧嘩をしている姿を見て固まった。
なぜなら土方が以前より数段強くなっていたからだ。


ケガが癒えていないにも関わらずその動きは以前にはなかったしっかりした骨格ができている。


しかし、近藤が土方の喧嘩を見ていたのもここまで。
彼も気が付いたらその喧嘩に加わっていたのだ。


そして、全ての男達を倒し終わった時には周りは血の海で染まっており、立っているのは近藤と土方だけだった。


土)「・・・・・・なんでいるんだ。お前」


近)「ウチの流派の剣私闘に使ってもらっては困る」


土)「俺がいつお前の流派に入ったよ。大体お前も散々暴れ回ってただろーが。・・・ったく。お人よしだか何だか知らねーが借りを返すつもりがまた仮つくっちまった」


近)「借りなんて思わんでいい。またいつでも遊びに来い。もうお前はウチの門弟だ。・・・血豆(そいつ)がその印だ」


近藤はクイっと顎で包帯に巻かれた土方の手を指す。
その包帯の下には大量の血豆の跡が・・・


近)「何回振った?俺でもそこまではならんかったぞ。どうりでキズの治りが遅いはずだ」


近藤がそういうと土方は彼の方を向いてこう言った

土)「・・・血豆じゃねェ。












四越デパートの自動ドアにはさまった」


と。


つまりは、これが土方十四郎という男なのだ。


(回想 終わり)


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近)「人には決して見せねェ。ツラにも毛程も出さねェ。だが俺は知ってるよ。野郎は今も昔も頭にゃ剣の事しかねェ」




ドバッ!!


土方は池の中に木刀を鎮める。


北)「(水中に剣を隠して軌道を読めせぬつもりか!!)こざかしい!!今更そんなものが通じるか!!」


北大路は土方に向けて木刀を振り上げる。


近)「誰にも努力してねーなんて言わせねェ。それは確かに柳生(やつら)の華麗な剣に比べりゃ武骨で歪な野刀かもしれねェ。だが、研ぎ済まされた奴の剣は・・・








鉄をも切り裂く」



土)「はァァァァ!!」


ドカッ!!


北)「ガハッ!!」



土方は目をカッと開き北大路の皿に向かって木刀をつき刺した。
木刀は力強く皿を割り北大路も吹っ飛ばされたのであった。

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