テキストサイズ

銀魂

第39章 男ってめんどくさい

取り残された沖田さんは、ベンチによりかかりながらポツポツとしゃべり始める。


沖)「・・・惚れてたんですよ、本気で。冷たくつっぱねられながら。それでもずっと・・・野郎の帰りを待ってた。ずっと。ようやく振り切って幸せ掴みかけたと思ったらまたアイツだ。何度姉上の邪魔をしやがる。ひでー奴だ。ひでー奴だよ、ホント・・・・・・わかってまさァ、俺の姉上がひでー奴に惚れるわきゃねーって事位。ホントは・・・わかってた。いつ死ぬともしれねー身で野郎が姉上を受け入れるわきゃねーって事位。わかってた。野郎が姉上の幸せを思って拒絶したこと位。わかってた。野郎も姉上の幸せを願ってた事位。わかってたんですよ、俺ァ。でも癪(しゃく)じゃないですか・・・野郎は気に食わねェ・・・








気に食わねェ野郎のままでいいんでィ」


悠)「沖田さん・・・」


あたしは何か決心をした沖田さんを見つめる。


きっと、沖田さんは土方さんの元へ行くのだろう。
大切な人たちを助けに行くために。


沖田さんは「よいしょ」と言いながら立ち上がる。


沖)「旦那、娘。長ェ話聞いてくれてありがとうございやした。こいつは姉上に内緒で。って、旦那は聞いてるわけねェか。野郎には大事なモン色々もっていかれたが、行かなきゃならねェ。近藤さんには死ぬって言われたんでね。最後かもしれねェ・・・地蔵にでも全部話しておきたかったのさ」


沖田さんがそういって一歩踏み出そうとしたとき、先ほどまで寝ていた人物の声が聞こえた。


銀)「その大切なモンにあいつも入っちまってるんだろ」


沖)「旦那!!」


悠)「銀さん!!」


銀)「ふわァァァァ~よく寝たぜ」


銀さんは背伸びをし、肩をコキコキと鳴らす。


銀)「さて、眠気覚ましに一丁行くか。てめーの姉ちゃんにも友達だって嘘ぶっこいちゃったし。最後まで付き合うぜ、総一郎君」


沖)「・・・・・・旦那クマ」


銀)「チンピラに殴られた」


悠)「ここにチンピラなんていませんよ」


銀)「悠ちゃん、今そういうツッコミいらない」


銀さんは少しおちゃらけた口調で言うと、次に真剣な口調であたしに問う。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ