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「ずいぶん前に脱走して一時はどうなるかと思ったが案外すぐ見つかったな」


私は天人の言葉に固まる。


…は？
どういうこと？
この天人は知ってるの私事を？
銀さん達と出会う前の私をしっているの？


悠）「…私の事知ってるんですか？」


私がそう質問すると天人は細い目を見開いた。


そしてまた静かに喋り始める。


「どうやらあの時落ちた瞬間記憶がぶっ飛んだようだな。まぁいい。記憶なんぞすぐ戻るだろう」


天人はクルリと私に背を向け部屋を出て行こうとする。


悠）「ま、待って‼︎新八君と神楽ちゃんは⁉︎あの2人はどこにいるの⁉︎」


「新八、神楽…あぁ、あのガキ二人か。あいつらならまだおネンネしてんよ」


天人はそう言うと部屋を出て行った。


悠）「………………」


あの天人何者なの？
なんで私の事を知っているの？
もしかして私は昔ここに住んでたの？
逃げたって何？
私は何かしたの？



考えれば考えるほどわからなくなってくる。














どのぐらい考えていたのだろう。



いきなり部屋がぐらっと大きな音を立てながら揺れ始めた。


悠）「なに⁉︎」


私は不安になり慌てる。


何かあったのかな？
ここの建物で実験してる何かが爆発したとか？
それにしては大きすぎる。


私は外の様子を伺おうとドアに耳を当てる。


「さっさと甲板へ出ろ‼︎桂だ‼︎桂が現れた‼︎」


「なにぃ⁉︎」


「おまけにバカ強い銀髪野郎もいるらしいぞ‼︎」


「蛇足さんもやられたそうだ‼︎」


桂⁉︎桂さんがここにいるの⁉︎
それにバカ強い銀髪ってもしかして銀さん⁉︎
2人とも助けに来てくれたんだ‼︎


一気に気持ちが上がる。


よし‼︎
気持ち上がったらかこっから脱出してやるもんね‼︎


悠）「せーの‼︎」


ドン‼︎ドン‼︎
私はドアに体をぶつける。


だが頑丈でなかなか壊れない。


悠）「壊れろ‼︎壊れろ‼︎」


バン‼︎バン‼︎


…ダメだ。
脱出してやるとか言ってたけど無理。
ドア壊れない。


私は諦めてドアに寄りかかる。