
3年後の君へ
第1章 第1話 3年前
俺が頷くと彼女は俺の手を握って歩きだした。
「え?どこいくの?」
「どこって、私ん家だけど?」
私ん家って、それは流石にマズイだろ笑
俺も一応男の子ですから。
「や、やっぱいいよ!家とか迷惑だろーし‼」
足を止め、彼女に掴まれた手を離そうとするが、なかなか離してくれない。
「別に迷惑なんかじゃないよ?
それにほら、レオが眠そうな顔してる笑」
レオを見ると本当に眠そうに欠伸をしていた。
てか、犬ってあくびするんだ…笑
「ね?近くだし、どうせなら寄ってきなよ。」
…まぁそこまで言われたら、行くしかないよな。
「わかった」
俺の返事を聞くと彼女は満足そうにして、しっかりと俺の手を握り直して歩きだした。
「おねーさんの名前なんてゆーの?」
いつまでもお姉さんじゃ、なんだか話しずらいしな。
「名前?
そんなの家に着けばすぐわかるよー笑」
家に着けば分かるってどーゆー事だよ?
彼女に連れられて進んで行くと、一軒のお店?らしいものが見えてきた。
まさか、あそこか?
どー見てもレストランにしか見えないんだけど?
そしてお店の前に着くと、彼女は足を止めた。
よく見ると、店の前には看板らしき物が掛かっている。
