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二面性*マクガフィン

第2章 学園クーデター

《 山風学園 屋上 》


「待ってたわ……嵐の皆さん」


女の第一声が透き通るよう耳に入ってきた。


「……………え」


「………………」

ニノは口を開け驚いている。

他の人も同じように驚いて…いや、不機嫌そうな感じだった。

女の顔…口元が緩んでおり、まるで、5人を見下しているような目をしていた。

「待ってた……だと」

女は手を動かしながら、5人を見つめる。

潤は片手をポケットから出し、握りしめる。

「お前……ここで何してるんだよ」

「あっ…!」

今にも女に襲いかかりそうな空気であったため、

ガシッ……と、

「は、離せっ……!」

潤の腕を掴んで抑えた。

抵抗する潤。


この人は1回怒ると、なかなか正気に戻らないため、

「相葉さん、ナイスです」

こんな時に雅紀を褒めた。


潤が女にどうのこうの言いたいだろうから、

「……………ハァ…」

翔が一歩前に出る……。


ガシッ……。 肩を掴まれた。

えっ………と思い、振り向くと、


「…………………」

「……………ニノ…」

彼は女を見つめたまま、硬直しているかのように翔の側にいた。

すると…

「翔さん…ここは俺が……」

視線をこちらに向けてきた。

…………………

視線だけのにらめっこをする2人…。

自分が行こうと思ってたのだが、よくよく考えてみると、この場で今1番冷静なのは…彼だろう。

「ああ…頼む……」

その言葉にニノは、一瞬女と同じように口元も緩ませ、一歩…また一歩と前へ出ていった。

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