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二面性*マクガフィン

第2章 学園クーデター

バタンッ……



ドアを思いっきり開けた。

それと同時に、身体中に勢いのある風がぶつかった。

それに対抗するように進み、その空間の中央に立って周りを見渡す。



「………ハァ……ハァ…」

息切れが激しかった。


ここは屋上。先程来た時よりも、少し青が薄くなった空が広がっており、相変わらずの綺麗な景色と落ち着いた空気がそこにあった。それだけだった。

何度も見渡したが、何も見当たらない。


「………チッ」

拳を握りしめ、下を向いた。










「やはり来たのね……」



「!?」

相変わらずの空間に、響く。

どこからか声が聞こえた。聞き覚えある声。


声がしたほうを向く。

それは、自分よりも少し上のほう…。



「櫻井翔…」


翔より少し高いところに、あの女は座っていた。


「………真央」


名前を呼ばれた女は、軽く微笑を浮かべてみせた。

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