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《 山風学園 屋上 》

「やはり来たのね……櫻井翔」

自分よりも少し高いところに、足を組んで座っている。

日の光が彼女と重なると、女の顔がよく見えた。

ﾌﾌﾌ…と、ただヘラヘラと笑っている人とは違った空気を漂わせ、取り巻いていた。

正直、その態度(?)…姿勢に苛立ちを覚えてしまう。



……………………


2人の目が合って数秒後、いつの間にか沈黙な流れができていた。





キーンコーンカーンコーン…

授業の始まりを告げるチャイムが、校舎に鳴り響く。

風の音がその音によって上書きされた。




沈黙を破り、最初に口開いたのは女…真央だった。


「ﾌﾌ……まさか、そちらから出向いてくるなんて…引き返して私に会いに来てくれるなんて私を迎えにきてくれるなんてっ！！」

手を大きく広げ、まるでミュージカルのステージに立っているかのように振る舞う姿。

そのペラペラな口は止まることなく動き続ける。

「まさに…gentleman櫻井翔ね……ladyである私は嬉しいわ……」


「……………………」

翔は女の謎な言葉、言動に気にもとめず、

全く動かず動じず、

ただ、目を合わせるように彼女を見つめた。