二面性*マクガフィン
第3章 学年1位のエリート
下から視線を浴びているのを、目と頭で感じた。
何を考えてるか、全くわからない。
その表情。
再度、女に触れてみる。
先程と同じく、頬、そして顎へと滑らせる。
その手付きはまるで慣れたもののよう…。
顎を軽く持ち上げ、親指でぷっくり膨れた艶のある唇に触れると…
女は「……ハァ」と小さく息を吐いた。
まっすぐな目をしていた。
「…いいんだ。」
吐いた言葉と同時に、イタズラな唇を触れていた相手の唇に、先程のものとは違う、少し強引に重ねた。
チュッ…
リップ音が、鳴った気がする。
触れるだけなのに、お互いの熱が混じって、より一層大きなものになるのをそこから感じると、自然と頰が赤くなって、身体中に染みるように伝わった。
熱を感じすぎたのか、重ねた部分が厚いものとなっていく……そして、苦しくなっていく。
耐えられなくなった女が開くのを翔は逃さない。
素早く中に滑り込むと、さらに熱くなり、そこでは、なめらかなものといやらしい音が待っていた。
「……ア…ハァ……ンンッ…」
クチュ…クチュ……
角度を変え、深く絡み合う、ふたり。
そんな彼らを止めるものは、ここにはいない。
誰もいないのだ。
ただ、そこに存在する時が…
激しい混じり合いに置いていかれそう…
ただ、それだけだった。
「……ハァ…ハァ…ハァ…」
少しして唇を離すと、お互いの息は荒れていた。
「………ハァ……ハァ…」
口元を手の甲で拭うとそこには、絡め合った証が残っていた。
笑みをこぼす。と、
同じように顔が濡れている彼女の雫を舐めとり…
ついでに、そのまま、舌を滑らせ…首筋に降り立った。
視線で反応を確かめる。
「…ハァ…ハァ……ア…」
翔の舌に弄ばれ、火照った顔を見せる女は余韻を止められずに吐息を抑えられずにいた。
甘い声と温かい空気を共に出して、弄られたところに反応してしまう体。
彼女の服を、肩から滑らせ……露わに。そして、
スーーーッと…
人指し指で、触れているのかも分からないぐらいの軽さで、
優しく…、撫でた。