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embrasse-moi

第3章 今日は遅い私と、

いつ出会ったかなんて覚えてない。


どうしてこんなにも不安定な関係が続いているかもわからない。


ただ、彼とはこんな関係で終わらせたくない、と河本 渚(こうもと なぎさ)は思う。



_そう思ってるのは私だけかしら?






「河本さん!」


トイレで急に渚の名前を呼んだのは違う部署の女の子だった。


「河本さん今日来るよね?」


「んー…どうしようかな…」


今日は新入社員の歓迎会があり、会社仲間で集まることになっていた。


正直、やりたいことがあるから、早く家に帰りたいんだけど。


「えー!久しぶりの飲みだし、河本さんがいるだけで男共が喜ぶから来てよ」


「うーん」


「それに、新入社員に顔覚えてもらいにくくなるかもよ?」


それはちょと痛いかも…


悩んだ末、渚は行くことにした。


「…分かった…行く」


「本当に!?ありがとー!」


まあ、彼ならちょとメールが遅れても怒ったりしないよね…?


「それじゃ、会場で」


彼女はそう言って、自分の部署に戻っていった。

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