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第20章 Another Side 6

「淳太君、ありがとう。」

「何が?」

「いろいろ。」

「なんやねん、いろいろって(笑)」

優しく笑ってくれる。

その笑顔が俺の中の不安を取り去る。

「俺、めっちゃ怖かってん。」

淳太君は黙って俺の話を聞いてくれる。

「神ちゃんを利用したとき、それが正解やと思う自分と間違ってるって思う自分が両方いて、それが1番怖かった。」

昔の俺やったらすぐに間違ってると思えたのに、そう思えないことが怖かった。

「薬が効いてるって、体が言ってる気がしててん。」

1つ薬を飲む度に頭が飲み込まれてる気がした。

何か分からんもんに。

でも、3人には言えへんかった。

そんなん言っても変わらんと思ってたから。

だから淳太君たちが出ていこうとしてるって知ってめっちゃびっくりした。

「そこから連れ出してくれて、ありがとう。」

「俺の手柄とちゃうねんから、ちゃんとほかの人にもお礼言い。」

「うん。」

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