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第20章 Another Side 6

「それ、何が書いてあんの?」

「この量、覚えられるか?」

「え、覚えんの?」

「とりあえず文一君音読してや。」

「いや、音読したらアカンやろ!」

「とりあえず読めたらめくったるから読めたら言って。」

みんなで文一君を囲んでその紙を読む。

確かにすごい量。

書いてあるのはこれからの俺らの行動。

1つ1つがこと細かく書かれている。

この通りに行動すれば、ホンマに助かるんや、って思える。

やからみんなブツブツ言いながら覚えようとする。

でも俺は一読するだけで全部頭に入る。

これが俺の飲んでた薬の効果。

こんなん、覚えれても、何も嬉しくない。

「シゲ?」

「俺、言われた部屋行ってくる。」

「ちょ、待てよ!」

「もう、全部覚えれたから。」

「え?」

「もう、俺はみんなと一緒にはなれへん。どんだけ忘れたくっても、こうやって人と違うことが何よりもあの施設にいた証拠やから、忘れるなんてできひんねん。」


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