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マシュマロボイス

第8章 こんなキモチ嘘じゃない

「お、やっべぇ…俺、行くわ」
「え?帰るの?」

もっとたくさんのこと
聞きたかったのにな。

「ごめんな、約束あってさ」
「あ、そっか」

てか、俺に引き留める権利ないし。

「んじゃ、またな」

潤君はヒラヒラ手を
振って帰っていった。

もちろん、ドリンクバーのお金は置いていってくれてる。

本当、気が遣えるなあ。
俺なら忘れちゃうや。

にしても…これからどうしよう…。
このままここに残って勉強でもしようかな…。

「…んー」

二宮君に会いたい。
ちゃんと話がしたいな。

でも、気まずいよね…。

「見っけ」

後ろから声をかけられた。
バッと振り返ると、大野がいた。

「何してるの?」

ふにゃって笑う大野。

「別に…」
「ニノのこと、待ってるの?」

「…待ってないよっ」

「待ってるくせにー」

散々、大野にからかわれた。

「ニノ、呼ぼうか?」
「べ、別に…いいよ」

「ふーん…」

何か、大野と目が合わせられない。
見透かされそうで……。

「会いたくないってさ、ニノ」

「えっ?」

顔をあげると、ムスッてしてる二宮君が大野の隣に立っていた。

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