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マシュマロボイス

第8章 こんなキモチ嘘じゃない

「に、二宮君?」

「……何」

めっちゃ怒ってる…。
怖くて目が合わせられない。

「もー、ニノも素直じゃないなあ」

大野が二宮君の肩に
ポンッと手を置いた。

「す、素直、だっ─」
「うんうん。分かってるよ~」

「分かってない!」

二宮君と大野の間に二人の空間が出来てるから俺は中に入れなかった。

「もー、ニノ煩いっ」
「煩いのは、智だろ!」

「じゃ、煩い俺は消えまーす♡」
「え、ちょ、智っ」

「バイバーイ」

大野は荒らすだけ荒らして帰った。
俺らは、呆気にとられていた。

「…二宮君」
「何」

「座ったら?」

「……」

黙ったままコクッて頷いた。
その仕草すら、可愛く見えちゃって。

俺の目、どうかしちゃったのかな?
男の子を“可愛い”なんて…。

「このお金、何?」

「あ、潤君がさっきまで…あっ」
「何?」

潤君の話、したらマズイかと思ったけどそんなこと無かった。

「いや、何でもないよ」

“大丈夫だよ”って言うみたいに、
ニコッて笑ったら

二宮君の頬が仄かに赤く染まった。

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