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マシュマロボイス

第8章 こんなキモチ嘘じゃない

だから、潤君が言うみたいに、
俺に脈があるのかなって。

そんな顔されたら勘違いしちゃうよ?

「お、俺…頼んでいい?」

メニューを手に持って、
まだ赤い顔でそう言ったんだ。

「う、うん、いいよ」

そう言った俺もお腹が減ってて…。
二宮君が覗くメニューを俺も見ようと身を乗り出した。

「え、はっ、なに?」

絵に描いたみたいにビックリして、
目を真ん丸くしてた。

「えっと…俺もお腹減ってて」
「な、なら、一緒に見よっ」

手に持ってたメニューを俺と二宮君の
間にバシッて置いた。

端から見たら、「怒ってる」って思うのかもしれない。

でも、顔が赤いから怒ってはないね。
寧ろ、照れてくれてるのかな?

……勘違いしちゃ、ダメだね。

「二宮君は、何食べたい?」
「ハ、ハンバーグ」

「そんな食べて平気なの?」
「うん。夕食、食べないから」

「え?食べないの?」
「うん。母子家庭だからさ」

「あ、ごめん…」
「いいよ」

微笑んだ二宮君。
スゴい可愛くなっちゃって。

こんな人が、俺に好意を抱いてるなんて嘘にしか思えないよ。

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