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マシュマロボイス

第9章 今を動かす気持ち

唇が重な───

「和也?帰ってるの?」

パチッと二宮君の目が見開いて、
バタバタと俺の隣に座った。

「あら、お友達?こんばんは」

リビングのドアを開けて微笑んだ。
二宮君のお母さんだ。

「こ、こんばんは」
「今日、夜勤なんじゃ?」

「明日だったの」

「……なんだよー」
「ごめんなさいねぇ」

テンポよく話が進んでいく。
俺の入る隙間なんてない。

にしても…二宮君、楽しそう。

ちょっと、妬ける。
なーんてね。

「あ、相葉さ、ご飯食べてけば?」
「え」

急に話を振られて驚いた。

「食べていきなよ」
「え、でも…今日はちょっと…」
「えー、なんでよー」

特に用事はないけど、
二宮君のお母さんに悪いから。

「二宮君、ごめんね」
「はあ…じゃ、相葉送ってくる」

手を引かれて、咄嗟に鞄を掴んだ。

「お、お邪魔しましたー!」
「はーい」

二宮君のお母さんの声を背に、
家を出た。

そしたら、二宮君が立ち止まった。

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