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マシュマロボイス

第10章 残り一時間

翔ちゃんと二宮君の共通点。
『フクロウ』。

「誰?」
「フクロウに聞いてみる」

スマホを素早く動かして、
あるサイトでのメッセージ交換を
していた。

「二宮、いいよ」

その手を翔ちゃんが止めた。

「で、でも…」
「誰でもいいよ」
「でも、フクロウには口止めしてたんだよ!唄は誰にも──」

「いいじゃん」

二宮君の言葉を遮ってしまった。

「身近な人で良かったじゃん」
「あ、相葉…」

「知ってるのは、俺と翔ちゃんと二宮君だけだよ?」

暗い夜空の下で目を合わせる。

「だから、三人の秘密にしよ」
「雅紀、違う」

「「え?」」

二人の声が被った。

「潤だ」

「潤君?」
「そっか…」

二宮君が思い出したように呟いた。

「音源くれたの、潤君だ」

翔ちゃんと目を合わせた二宮君が、
潤君に電話を掛け始めた。

そしたら、後ろから肩を叩かれた。

「え?」
「そろそろ、俺の出番?」

微笑んでる潤君がいた。

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