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マシュマロボイス

第12章 夜に紛れては

相葉は挙動不審だった。
風呂に行ってる間に何があったんだろ。

「相葉」
「ん、あっ何?」

明らかに怪しい…。

「何かあった?」

そう問いかけると、
ビクッと体が跳ねた。

「ねえ、何があったの?」
「あ、あの…」

また、顔赤いし。

「言ってくれるかな?」

泣いてる子供に優しく問いかける様に
相葉に話し掛けてみた。

「あ、あのね!」

やっと話す気になったのか、
言葉を発してくれた。

………大きな声で。

「今日、───来ないんだって」
「え?」

肝心な所が聞こえなくなった気がして、聞き返した。

「お母さん…帰ってこないって」

俺の目を見た相葉の目は、
少しだけ熱を帯びていた。

「え、あっ…そっか」

相葉みたいな返答をしてしまった。

なんで、あんな目をしてるの?
熱を帯びていて、エロい。

視線がネットリと、
俺に絡み付いていて放さない。

「…二宮君」

名前を呼ばれて、体が勝手にビクッと跳ねてしまった。

「そろそろ、寝よっか」
「え?」

そんなに俺のことをエロく見てる癖に
どうして……あ。

俺、何てこと考えてんだ……。

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