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マシュマロボイス

第12章 夜に紛れては

「…」

布団に一緒に入ってるのに、
相葉は俺に背を向けたまま。

しかも、声すら聞こえない。

ちょっと寂しい…。
でも、俺があんなこと考え──

「二宮君、起きてる?」
「うん、起きてるよ」

間なんて作らないで、言った。

「…よかった」

背の向こうで安堵の息を吐いてた。

「…」

そして、再び沈黙。

「…相葉」

今度は、俺が名前を呼んだ。

「…」

でも、相葉からの返事はない。

「相葉?」
「…」
「寝ちゃったの?」

寝返りを打って相葉の背中を見つめる。

部屋には相葉の寝息、
俺の息遣いしか聞こえない。

「…相葉」

背中にピタリとくっつく。

ドキンと、胸が鳴った。
それと同時に相葉もビクッと動いた。

「…寝たふり?」

意地悪く、聞いてしまった。

違うのに。
俺は、ただ……















寂しかった、だけなのに。














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