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マシュマロボイス

第2章 風に包まれてた

「俺、相葉と同じクラスだったんだ」

「おはよ」

教室に入ってきた大野が、
俺を見て言った。

「あと、相葉にいい話があるよ」
「ん?いい話?」

大野がキョロキョロ周りを見回して、
俺に耳打ちをした。


「転校生が来るらしいよ」


「え?」

それがいい話なの?


「そんな顔しないでよ。ちゃんといい話なんだって」

思ったことが顔に出たらしい。
翔ちゃんの言う通りだな。


「子守唄の子らしいよ」



「え!?本当!?」


勢いをつけて立ち上がったから、
大野と顔の距離が物凄く近い。



「なに?キスでもする気?」


後ろから手を引かれる。


「翔ちゃん…」
「キスなんてしないよ。ねえ、相葉?」

「あ、当たり前でしょ!」

「どうする?名前、知りたい?」

俺の興味をそそるような言葉の罠を仕掛けてくる。

「し、知りたい…」

「じゃあ、こっちおいで」

動こうとすると、翔ちゃんの力が強すぎて動けない。

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