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マシュマロボイス

第13章 小さくても大切さ

「う、うん、わかった」

人の頭なんて拭いたこと無いから、
ちょっと緊張してきた。

「早く♡」

可愛い二宮君の頭にタオルを被せて、
撫でるように拭いた。

「速くっ!」
「へ!?」
「もっと速く!」
「ひゃ、ひゃい!」

二宮君の口調が強くてビックリして、
その上噛んじゃった…。

「もーいいよ」

タオルを取ると髪がボサボサ。

「すっげ、ボサボサ」
「二宮君がもっとって…」
「んじゃ、次は梳かして♡」

…またですか。

「しょうがないなあ」
「はい、早く早く!」

また、洗面所に行った。
今度は櫛を手にもって。

「あ、持ってきた?」
「うん」

二宮君が濡れたまま、
俺の膝の上にちょこんと座った。

「はい、梳かして♡」

二宮君、可愛い。
本当、可愛い。

こんな甘えられたら、
俺、キュン死にしちゃうよ。

「ねえ、相葉」
「ん?」

「俺、すっごい好きなの」

「ハンバーグ?」
「ううん、それよりも数倍好きなの」

二宮君の好きなものって、言ったら…

「あ!ゲーム?」
「その数十倍」

「えー?唄?」
「数百倍、ううん、数千倍」

「そんなに?」

スーっと二宮君のサラサラの髪を、
ゆっくりと梳かしていく。

「うん」

俺の手が持ってる櫛を取り上げた。

「何だと、思う?」

可愛く首をコテッと傾げた。

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