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マシュマロボイス

第2章 風に包まれてた

俺もそのまま固まってしまって、
口をパクパク動かしてしまっていた。

「?」

俺らの前でしゃがんでる男子は、
不思議そうに俺らを見ていた。


「な、名前…何て言うの?」


片言だったり
声が裏返ったり、
変な聞き方じゃなかったかな…。

また、その男子は左耳を俺に向けた。


「名前、教えてもらっても……」


そしたら、今まで黙っていた大野が
俺の言葉を遮って喋り始めた。


「俺、大野。よろしくね」


「あ、うん」

その男子も返事をして……


「俺は、二宮」


名乗った。

「よろしくね、二宮」
「こちらこそ」

今まで大して変わらなかった表情が
柔らかくなった。


「あ、お俺は相葉、雅紀!」


噛んだけど、ちゃんと名乗った。

「相葉?よろしくね」

綺麗な声。
ずっと聴いていたい。


「──カズー?」


後ろから大きい声が聴こえた。


「あ、潤君」

二宮君は、嬉しそうに呟いてその場から立ち去ってしまった。

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