無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

（二宮side）

しょうがなく、櫻井に電話した。

「もしも──」
『にーのーみーやー！』

耳がキーンってなって、
スマホを耳から離した。

「二宮君、大丈夫？」
「うん、ちょっと叫ばれた」
「翔ちゃんが？」
「うん、ほら」

『どうして、連絡くれなかったの！？
母さんも俺も心配してたんだぞっ！』

「本当だ」
「ね？」
「でも、心配してたってさ」
「…うん」

なんか、気恥ずかしくてポリポリと頬を爪で掻いた。

「二宮君、可愛い…」
「え？」
「可愛いね♡」

キュン。

『今は雅紀んとこ？』

「相葉は、カッコいい…よ？」
「本当？でも、二宮君の方が可愛い」
「違うって、相葉の方が」
「えー、二宮君が♡」
「相葉が♡」
「二宮君が♡」

電話が繋がってることなんて、
忘れてた。

『あの…聞いてます？』
「あー、聞いてますよー」
『その調子じゃ、今日も──』

「泊まるに決まってるだろ！」

『ですよね』

電話越しに笑ってる櫻井。
でも、なんかちょっと安心したかも。

「母さんに…」
『ん？』
「心配すんなって言っといて」
『わかった』

そしたら相葉と目が合った。

「もういいの？」

そう優しく微笑んだ。
だからね、ちょっと素直になろ。

「あとね」
『何？まだあるの？』

「これからもよろしくね、あ、兄貴？」

『…おうよ』

何だろ。
なんか、泣きそうなんだけど…。

『んじゃ、切るな』
「うん」

電話が切れると相葉にギュッと、
抱き締めてくれた。