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マシュマロボイス

第2章 風に包まれてた

別に俺に謝ることないじゃん。

俺が二宮君を好きとか、付き合ってるってことじゃないんだから。

「相葉は、俺が二宮と付き合っても文句は言わない?」

「え?…あ、うん。言わない」

戸惑いながらも、何とか答えた。

「ならよかった」

柔らかい笑顔を俺に見せて、
そのまま俺と翔ちゃんを残して去っていってしまった。

「なんだ、アイツ…」

隣で翔ちゃんが呟いた。

「あれが大野なんだよ」

いつもニコニコと柔らかい笑顔を
周りに振りまいて…

自分の思ったことは、
しっかりと言葉にしてくれる。

「雅紀は、本当に優しいよね」

「そんなこ――」

今の言葉を否定しようと思って、
左側を見ると切なげな表情をして俺を見つめていた。

「翔ちゃ、ん?」

急に不安になって、
翔ちゃんに話しかけた。


「……何でもないよ」


遅れた返事に少し違和感を覚えたけど
それほど深くは考えてなかったんだ。

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