マシュマロボイス
第2章 風に包まれてた
「相葉、相葉!」
放課後にいつもの公園のベンチで
単語カードを捲っていると
大野が遠くから俺の名前を呼んで
駆けてきた。
「どうしたの?」
単語カードを、鞄にしまった。
「ニノがね!―――」
なんか言ってたけど、
出だしの言葉以外の話は一切
耳の中に入ってこなかった。
「――相葉?聞いてる?」
目の前に大野の顔が目に映って、
現実に引き戻された。
「あ、ごめん…。ぼーっとしちゃって」
「聞いてなかった」
なんて言えなくて、曖昧な言葉でごまかしてしまった。
「もー、聞いててよ!」
いつも通り、柔らかい顔をして
笑う大野を見てるとやっぱり癒される。
雰囲気が優しくて、柔らかくて…
二宮君もきっとこの空気が好きになるはず。
「でねー!ニノがねー」
もう、そんな風に呼んでるんだ。
『あの声を独り占めしてるんだ』
そう思うと、なんかモヤモヤする。
放課後にいつもの公園のベンチで
単語カードを捲っていると
大野が遠くから俺の名前を呼んで
駆けてきた。
「どうしたの?」
単語カードを、鞄にしまった。
「ニノがね!―――」
なんか言ってたけど、
出だしの言葉以外の話は一切
耳の中に入ってこなかった。
「――相葉?聞いてる?」
目の前に大野の顔が目に映って、
現実に引き戻された。
「あ、ごめん…。ぼーっとしちゃって」
「聞いてなかった」
なんて言えなくて、曖昧な言葉でごまかしてしまった。
「もー、聞いててよ!」
いつも通り、柔らかい顔をして
笑う大野を見てるとやっぱり癒される。
雰囲気が優しくて、柔らかくて…
二宮君もきっとこの空気が好きになるはず。
「でねー!ニノがねー」
もう、そんな風に呼んでるんだ。
『あの声を独り占めしてるんだ』
そう思うと、なんかモヤモヤする。