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マシュマロボイス

第15章 通り雨が近づく

外に出るとムシムシしてた。
そろそろ梅雨入りするのかな。

「いってきまーす」

傘を広げて、学校に向かって歩く。

水溜まりに雨粒が落ちて、
水面がユラユラと揺れた。

「はあ…」

まさか翔ちゃんに嫉妬するなんて、
考えてもいなかったんだ。

どうしたらいいのかな。
なんで嫉妬なんてしちゃうのかな。

俺は人と付き合ったことが殆どない。
初めての女の子はもう経験済みだったからリードされた。

けど、その数日後にフられた。

“なんか想像と違った”
なんて、言われちゃった。

初めての彼女だったから、
しばらく立ち直れなくて翔ちゃんに慰めてもらってたな。

……変な事思い出しちゃった。

「はあ…」

溜め息ばっかり出る。
喋る相手はいないし。

……。
そうこうしてる間に着いたし。

どれ程考え込んでいたのだろう。
もう学校に着いてしまってた。

「あ、相葉ー!おはよ♪」
「二宮君、おはよ」

二宮君の笑顔を見たら、
スッと嫌なことも忘れた。

けど…。

「はよ、雅紀」

やっぱり複雑だなあ…。

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