テキストサイズ

マシュマロボイス

第15章 通り雨が近づく

「…」
「…」

教室に着いて、
翔ちゃんと目を合わせる。

その視線を一人でプクーってしてる大野に注いだ。

「…どうしたの、大野」
「フイッ」

その音と合わせて反対を向いた。

「どうしたんだろ」
「さあ、喧嘩でもしたんじゃ?」

「だって…」
「何があったの?」
「え?んー…言いにくい…」

翔ちゃんの問いかけにしどろもどろしてる大野。
なんか、可愛いな。

「潤と喧嘩かあ、俺でもしたことない」
「そーなんだ」
「そりゃ、櫻井は友達だからだよ」

唇を尖らせて、俯いた。

「俺は、コイビトなんだもん…」

大野が呟いた。

「そうだっ、相葉はどうなったの?
ニノとさっ!」
「へ?いや…まあ」

照れながら誤魔化した。

「いいなあ、コイビトやってて」
「え?」

“コイビトやってて”?
どういう意味なの?

「松潤は俺をコイビトだって、思ってないのかもしれない…」

自信無さげな大野を初めて見た。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ