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マシュマロボイス

第16章 揺れる心映す様に

(櫻井side)

雅紀が好きだ。
過去形じゃなく現在進行形。

今でも好きだ。
二宮と付き合おうが好きだ。

ここだ、と思った。

雅紀と一番過ごした時間が長いのは俺。
だから、雅紀ならショックを受けると思ったんだ。

酷いことをしてる自覚はある。

でも止められない。
雅紀を自分の物にしたい。

だから、伏線を張ってた。
ずっと伏線を張って、張って、張って。

この日の為に備えてきた。

「相葉、大丈夫?」

二宮が相葉に声を掛ける。
無駄だ。今の雅紀には届かない。

「…。」

ほら。
真っ青になってる。

「皆、ごめん…今頃で…」

皆、ごめん。利用しちゃって。
でも許してくれ。

「いや…俺は大丈夫だよ」
「翔もツラかったろうしな」

今、この状況がツラい。
良心が痛んできたよ。

けど、仕方ない。
ここまで伏線を張ってたんだから。

今までの苦労、
報われたっていいだろ?

「…ね」

雅紀が口を開いた。

「翔ちゃんと…二人に、して…」

震える雅紀を残して、
大野、松本、そして二宮の順にファミレスを出て行った。

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