マシュマロボイス
第16章 揺れる心映す様に
(二宮side)
…大丈夫かな。
相葉の顔色が悪かった。
それは、当たり前なんだけど…。
「ニノ、そんな心配すんなって」
「心配するだろ…」
あんな相葉初めてみたもん。
どうすりゃいいか分かんない。
ブー、ブー。
一定の音を立てて携帯が鳴った。
誰からの電話かも見ないで、
そのまま携帯を耳に当てた。
「もしもし」
『もしもし』
櫻井だった。
「ああ…相葉は?」
『今、帰った』
「そっか…」
暫く長い沈黙が流れた。
『…今まで黙っててごめんな』
「別に俺は気にしてないよ。兄弟だって分かったのも最近だし。」
何より俺と同じだから。
ツラさはよく分かるから。
「んで、聴こえてるの?」
『もう聴こえてない』
「えっ?」
嘘だ。
俺はまだ大丈夫なのに。
『補聴器を着けても聴こえない』
「…何も?」
『ああ』
櫻井の左耳が既に聴こえなくなってる。
……俺もそろそろなのか?
何となく感じてた。
ヤバいんじゃないかって。
だけど、現実を突きつけられた。
『二宮』
「……ん?」
『…和也』
急に名前で呼ばれた。
初めてだった。
『お前の右耳も俺が引き受ければ、
よかった…』
泣いてた。
声が掠れてた。
……ああ、“兄貴”だ。
…大丈夫かな。
相葉の顔色が悪かった。
それは、当たり前なんだけど…。
「ニノ、そんな心配すんなって」
「心配するだろ…」
あんな相葉初めてみたもん。
どうすりゃいいか分かんない。
ブー、ブー。
一定の音を立てて携帯が鳴った。
誰からの電話かも見ないで、
そのまま携帯を耳に当てた。
「もしもし」
『もしもし』
櫻井だった。
「ああ…相葉は?」
『今、帰った』
「そっか…」
暫く長い沈黙が流れた。
『…今まで黙っててごめんな』
「別に俺は気にしてないよ。兄弟だって分かったのも最近だし。」
何より俺と同じだから。
ツラさはよく分かるから。
「んで、聴こえてるの?」
『もう聴こえてない』
「えっ?」
嘘だ。
俺はまだ大丈夫なのに。
『補聴器を着けても聴こえない』
「…何も?」
『ああ』
櫻井の左耳が既に聴こえなくなってる。
……俺もそろそろなのか?
何となく感じてた。
ヤバいんじゃないかって。
だけど、現実を突きつけられた。
『二宮』
「……ん?」
『…和也』
急に名前で呼ばれた。
初めてだった。
『お前の右耳も俺が引き受ければ、
よかった…』
泣いてた。
声が掠れてた。
……ああ、“兄貴”だ。