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マシュマロボイス

第3章 あの日からちっとも変わらない

中学校は、引っ越しをしたあとも
電車で通った。

友達と別れるのは、辛かったから。

でも、高校は母親が事情を説明してくれてどこに通うかは決まっていた。

その事を話したら、俺の親友が


「俺もその高校に行く」


そう言ったんだ。

もちろん、偏差値だって俺と親友じゃ結構な差がある。

しかも、決められた高校は俺にぴったりの偏差値。


「無理だよ」


何回も言った。
けど親友は頑なに意見を曲げなかった。


「俺は、松本潤だぞ」


親友の名は“松本潤”。

唯一俺の右耳のことを知ってる同級生。

「カズを独りには出来ない」


結局、潤君とは同じ高校に
通うことになった。


「カズ」

「何?」

「補聴器、落としやすいんだから。
気を付けてな」

「ありがとう」


これが、日常になってた。

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