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マシュマロボイス

第3章 あの日からちっとも変わらない

「…あ、うん」

「リアクション、薄いな」

「え!?そうかな…」

正直、なんて答えたらいいのか
分からなかった。

「いいの?雅紀の恋敵……いや、何でもない。」

『恋敵』?
今、そうやって言ったよね?

「雅紀、今のは……」

「ジュン君も、二宮君が……」


俺、なんて言おうとしてた?










『好きなの?』











頭に浮かんだ言葉を必死に消した。

「雅紀、大丈夫か?」


ビクッ!


肩を叩かれて、体が震える。

「……雅紀」

「な、なに?」

「ごめん」

翔ちゃんが悲しい顔をしたから、
俺も悲しくなった。

「翔ちゃん、そんな顔しないで」

いつも翔ちゃんがやってくれるみたいに頭を撫でた。

「雅紀、俺…」

その言葉を聞かせないように、
インターホンが鳴った。

「…潤が来た」

俺の顔なんて見ないで、
部屋を出ていって

しばらくすると、
玄関の開く音が家中に響いた。

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